
CAST: ミチヒコ　大串達映ユキコ　勝村美紀サクラ　ヒザイミズキ
	3月のある日曜日。もくもくと部屋の掃除をする夫婦。　左：ユキコ　（勝村美紀）　右：ミチヒコ　（大串達映）この家には2つのルールがある。毎週日曜に2人で掃除をすることと、違う部屋に行くときは行き先を告げていくこと。ミチヒコのいとこ「フーにいちゃん」の話。リオのカーニバルで出会ったマチルダさんとの間にもうすぐ赤ん坊が生まれる。また、来週から1週間、ミチヒコいとこの女の子がこの家に泊まりに来るという話。「楽しみだなあ。どんな子がミチヒコ君の親戚なのか」「どんなって、普通の子だよ」
一週間後。 ■■ ミチヒコが親戚の子を迎えに行っている間に行き違いに到着した女の子。右：サクラ（ヒザイミズキ）あわてて挨拶したりお茶を出したり説明したり。来客になれていないユキコ。	ミチヒコを待ちながら話している間に打ち解ける2人。サクラの父親の話。この家のルールの話。サクラが新聞配達をしていた話。指を見せてほしい、というユキコ。「これが新聞をじかに触っていた指か」「え、まあ、そうですね」「黒くないね」
2週間後。談笑しながら掃除をする3人。 ■■ 約束の1週間を過ぎても帰ろうとしないサクラ。ユキコとサクラは本当の姉妹のように仲良くなっている。ユキコがミチヒコの指が好きだ、という話。「ミチヒコくんが、インターフォンのボタン押すのすごく見たくて、階段の踊り場からそっと見てたの」「そんなことしてたのか・・」 ■ サクラが出かけた後。インターフォンを押す自分の指がどうだったのか気になるミチヒコ。「ミチヒコくんの指が、呼んでるな、と思って、でもその指が呼んでるのはあたしなんだって気がついたのそしたらなんだか混乱してしまって。ほら、鏡と鏡を合わせる、みたいな」
k	ここから先は写真がありません。すいません。一応、あらすじだけ。
2週間後。日曜日。まだ帰ろうとしないサクラ。夫婦のバランスが崩れ始めているミチヒコ。「もうそろそろ、家に帰ったほうがいいんじゃないかな。おじさんも心配してるだろうし。ユキちゃんも、慣れない生活が続いて疲れてるみたいだし」	帰宅するユキコ。「ユキちゃん、あたしがいると疲れる？」サクラに出て行ってほしくないユキコ。「ミチヒコくん、あたしサクラちゃんととても気が合うの。だからもう少しだけ一緒にいてもいい？」「君がいいなら、ぜんぜんかまわないよ」子供のころの話をするサクラ。ミチヒコくんがお兄ちゃんだったらよかったのに、って。「でもあたし、お姉ちゃん見つけたから。」ミチヒコにはわからない、ユキコの話をするサクラ。「安心して。あたし、いつかは出て行くから。」「・・わかった。」
■■ 一週間後。日曜日。フー兄ちゃんのお祝いを買ってきたユキコとサクラ。仕事から帰宅したミチヒコ。「掃除は？まだやってないの？」「今日はいいんじゃない？皆疲れてるし・・」「サクラちゃん、悪いけど雑巾取ってきてくれないかな」ミチヒコが無理に掃除をしようとすることに反感を覚えるユキコ。自分たちで決めたルールを守らなくなっているユキコに反感を覚えるミチヒコ。	「掃除だけじゃないよ、なぜサクラちゃんは行き先を告げていかないの」「もともとおかしな話じゃない。こんな狭い家で行き先を告げて行くなんて。ミチヒコくんもそう思ってたでしょ？」「最初から、なんでそうするかなんてわからなかったよ。でも2人で決めて、それをやってきたんだよ。そうやって、積み重ねて来たんだろ」「そんな風に、何もわからないままやってることで何も積み重なってなんかいかないよミチヒコくん」とりあえず、2人を止めるサクラ。今川焼き食べよう。
サクラの携帯にメール。「フーにいちゃん、生まれたって！」「え？」「赤ちゃん」 3人で赤ん坊の写真を見る。自分の子供のころの写真とか、自分に関係なく溜まっていくのって、なんだか嫌だ、と思っているユキコとミチヒコ。思っていないサクラ。ここが自分の居場所ではないと気づいたサクラ。急に帰り支度を始める。慌てて引きとめようとするユキコ。居心地が良すぎて長居してしまった部屋から、潔く帰ろうとするサクラ。「今度会うときは、本物の親戚として会いましょう。偽者の姉妹としてではなく。」
	■■ 1週間後。何事もなかったように掃除をする2人。掃除をしていると、たまに、ふと動きが止まってしまうことがあるミチヒコ。頭に白いコピー紙みたいなものが差し込まれるみたいに。「あたしも、止まってしまうことがある。」赤ん坊の手を見たとき、真っ白い光だけしかないところに引きずりこまれそうになるというユキコ。「でも、ユキちゃんの言っているのと、僕が言っているのは、たぶん、ちがう。」「・・・そうだね」「掃除はさ、どうしたらいいのかわからないけど、飽きたらやめよう。」飽きるまで続く、長い時間。「行き先は、どうする？　言っておくか」「いいや。ミチヒコくんの指が、私を呼ぶから。微妙に。」「・・・微妙に。」「だから、たぶん、大丈夫」掃除を続けるユキコ。

おしまい。

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CAST: ミチヒコ　大串達映ユキコ　勝村美紀サクラ　ヒザイミズキ
	3月のある日曜日。もくもくと部屋の掃除をする夫婦。　左：ユキコ　（勝村美紀）　右：ミチヒコ　（大串達映）この家には2つのルールがある。毎週日曜に2人で掃除をすることと、違う部屋に行くときは行き先を告げていくこと。ミチヒコのいとこ「フーにいちゃん」の話。リオのカーニバルで出会ったマチルダさんとの間にもうすぐ赤ん坊が生まれる。また、来週から1週間、ミチヒコいとこの女の子がこの家に泊まりに来るという話。「楽しみだなあ。どんな子がミチヒコ君の親戚なのか」「どんなって、普通の子だよ」
一週間後。 ■■ ミチヒコが親戚の子を迎えに行っている間に行き違いに到着した女の子。右：サクラ（ヒザイミズキ）あわてて挨拶したりお茶を出したり説明したり。来客になれていないユキコ。	ミチヒコを待ちながら話している間に打ち解ける2人。サクラの父親の話。この家のルールの話。サクラが新聞配達をしていた話。指を見せてほしい、というユキコ。「これが新聞をじかに触っていた指か」「え、まあ、そうですね」「黒くないね」
2週間後。談笑しながら掃除をする3人。 ■■ 約束の1週間を過ぎても帰ろうとしないサクラ。ユキコとサクラは本当の姉妹のように仲良くなっている。ユキコがミチヒコの指が好きだ、という話。「ミチヒコくんが、インターフォンのボタン押すのすごく見たくて、階段の踊り場からそっと見てたの」「そんなことしてたのか・・」 ■ サクラが出かけた後。インターフォンを押す自分の指がどうだったのか気になるミチヒコ。「ミチヒコくんの指が、呼んでるな、と思って、でもその指が呼んでるのはあたしなんだって気がついたのそしたらなんだか混乱してしまって。ほら、鏡と鏡を合わせる、みたいな」
k	ここから先は写真がありません。すいません。一応、あらすじだけ。
2週間後。日曜日。まだ帰ろうとしないサクラ。夫婦のバランスが崩れ始めているミチヒコ。「もうそろそろ、家に帰ったほうがいいんじゃないかな。おじさんも心配してるだろうし。ユキちゃんも、慣れない生活が続いて疲れてるみたいだし」	帰宅するユキコ。「ユキちゃん、あたしがいると疲れる？」サクラに出て行ってほしくないユキコ。「ミチヒコくん、あたしサクラちゃんととても気が合うの。だからもう少しだけ一緒にいてもいい？」「君がいいなら、ぜんぜんかまわないよ」子供のころの話をするサクラ。ミチヒコくんがお兄ちゃんだったらよかったのに、って。「でもあたし、お姉ちゃん見つけたから。」ミチヒコにはわからない、ユキコの話をするサクラ。「安心して。あたし、いつかは出て行くから。」「・・わかった。」
■■ 一週間後。日曜日。フー兄ちゃんのお祝いを買ってきたユキコとサクラ。仕事から帰宅したミチヒコ。「掃除は？まだやってないの？」「今日はいいんじゃない？皆疲れてるし・・」「サクラちゃん、悪いけど雑巾取ってきてくれないかな」ミチヒコが無理に掃除をしようとすることに反感を覚えるユキコ。自分たちで決めたルールを守らなくなっているユキコに反感を覚えるミチヒコ。	「掃除だけじゃないよ、なぜサクラちゃんは行き先を告げていかないの」「もともとおかしな話じゃない。こんな狭い家で行き先を告げて行くなんて。ミチヒコくんもそう思ってたでしょ？」「最初から、なんでそうするかなんてわからなかったよ。でも2人で決めて、それをやってきたんだよ。そうやって、積み重ねて来たんだろ」「そんな風に、何もわからないままやってることで何も積み重なってなんかいかないよミチヒコくん」とりあえず、2人を止めるサクラ。今川焼き食べよう。
サクラの携帯にメール。「フーにいちゃん、生まれたって！」「え？」「赤ちゃん」 3人で赤ん坊の写真を見る。自分の子供のころの写真とか、自分に関係なく溜まっていくのって、なんだか嫌だ、と思っているユキコとミチヒコ。思っていないサクラ。ここが自分の居場所ではないと気づいたサクラ。急に帰り支度を始める。慌てて引きとめようとするユキコ。居心地が良すぎて長居してしまった部屋から、潔く帰ろうとするサクラ。「今度会うときは、本物の親戚として会いましょう。偽者の姉妹としてではなく。」
	■■ 1週間後。何事もなかったように掃除をする2人。掃除をしていると、たまに、ふと動きが止まってしまうことがあるミチヒコ。頭に白いコピー紙みたいなものが差し込まれるみたいに。「あたしも、止まってしまうことがある。」赤ん坊の手を見たとき、真っ白い光だけしかないところに引きずりこまれそうになるというユキコ。「でも、ユキちゃんの言っているのと、僕が言っているのは、たぶん、ちがう。」「・・・そうだね」「掃除はさ、どうしたらいいのかわからないけど、飽きたらやめよう。」飽きるまで続く、長い時間。「行き先は、どうする？　言っておくか」「いいや。ミチヒコくんの指が、私を呼ぶから。微妙に。」「・・・微妙に。」「だから、たぶん、大丈夫」掃除を続けるユキコ。

おしまい。